妊娠高血圧症等個人の既往以外のオイルの禁忌はありません。
トリートメントは授乳への影響を考えて1%の稀釈で行います。
基本的に新生児にはEOの香りは必要ないといわれており、デフューザーでの部屋への香り付けも母児同室の場合は使いすぎないよう気をつけます。


 【1】筋肉の疲れへのアロマテラピー

出産時の筋肉痛が残っている場合にはラヴェンダー、ローズマリー、マージョラム、ブラックペッパーなど筋肉の緊張を緩和し、鎮痛作用もあるオイルで、フルボディあるいは患部中心のマッサージを行います。同種のオイルでの湿布も効果的です。





 【2】 産後うつへのアロマテラピー

ホルモンの変化による産後の抑うつ状態には、アロマテラピーが最適です。抗うつ作用はEOが最も得意とする効果のひとつであり、一時的に過ぎていくこの症状を確実に緩和していきます。またこの時期は人に手をかけてもらうことを好む傾向にあるので、優しい人の手によるトリートメントはたいへん効果的です。
抑うつ効果のあるオイルは、ラヴェンダー、クラリセージ、ローマンカモミール、ベルガモット、ネロリ、ジャスミン、ヴェチバー、イランイラン、フランキンセンス、ベンゾインなど多数です。





 【3】下肢のむくみ

産後から現れる主に下肢のむくみにも利尿、解毒作用のあるオイルでのマッサージが効果的です。産後すぐにはお勧めできませんが、落ち着いた頃にリンパドレナージュ・マッサージを数回続けて施術すると最も大きな効果が期待できます。
利尿作用のあるオイルは、ローズマリー、タイムリナロール、パチュリ、カモミール、グレープフルーツ、スイートフェンネル、パセリ、レモングラス、ゼラニウムなど多数です。
トリートメント後、水分をたくさん補給するようアドバイスします。
気をつけなければならないのは、むくみが妊娠高血圧症から来ているものかどうかを見極めることです。妊娠高血圧症の場合は、オイルにも血圧の面で禁忌があるだけでなく、施術そのものも医師の許可を得なければなりません。





 【4】痔へのアロマテラピー

産後の痔には、収斂作用のあるオイルを使った坐浴がダイレクトに効果を発揮します。第一に挙げられるオイルはサイプレスで、殺菌作用もあります。バスオイルと同様、スピリタスに数滴を溶かして坐浴の湯に入れます。サンダルウッド、フランキンセンスなども殺菌、収斂作用のあるオイルです。





 【5】不眠へのアロマテラピー

出産時の高揚した気分が持続して、夜不眠を訴える方は少なくありません。EOには精神的な興奮を鎮めてくれものがたくさんあります。上手に使って、慣れない授乳などで疲れる身体を休める時間をできるだけ多く取りたいものです。
不眠には鎮静作用のあるオイルを寝室に拡散させて吸入したり、バスオイルにして温まって開いた毛穴からより多くの成分を吸収させたり、寝る前にチェストラブ(胸に塗布して体温で揮発するEOを吸入すること)にしたりします。
不眠に適しているオイルは多く、ラヴェンダー、ジャスミン、マンダリン、クラリセージ、スイートオレンジ、ヴェチバー、サンダルウッドなどが代表的なものです。
もちろんトリートメントも血行良くして心地よい眠りにつくためにはたいへん効果的です。





 【6】乳房ケアのアロマテラピー

授乳期の乳房の緊張には、背面からのマッサージが効果的です。肩甲骨周りを筋肉の緊張をほぐし、循環機能を促進するオイルを使います。
ラヴェンダー、ローズマリー、ローマンカモミールなどが適しています。